「○○城に行くぞ!」という時、天守閣に注目しがちですが、実はお城の楽しみ方は天守閣だけでありません。
例えば、石垣。
私たちの地元和歌山城もそうなのですが、多くのお城や城跡には天守閣を取り囲むように石垣が残っていますね。
ひとえに石垣といっても、時代背景やその当時の技術力によって、石の積まれ方や加工のされ方が全然違っているのです。
そんな背景を知った上で石垣を見てみると、ただ乱雑に積まれただけではない、石垣の面白さが見えてきます。
当記事では、和歌山城を題材として石垣の3種類の積み方についてご紹介します。
この基本的な3つだけでも知っていれば、お城を観光する時にお城ごとの石垣の特色がわかるようになり、お城観光の楽しみ方が広がります。
また、私たち夫婦が厳選した和歌山城の石垣の見どころについては、「【ここに注目!】石垣で楽しむ和歌山城 見どころ4選」で紹介していますので併せてご覧ください。
石垣の積み方
石垣の3つの積み方
野面積み
その名の通り、ほとんど加工もせず自然の石をそのまま積み上げているのが野面積み(のづらづみ)。
表面は隙間だらけで脆そうに見えますが、実は石垣の裏側がしっかりと造られていれば、強度としては問題ないらしい。
ただ、隙間だらけということは、敵襲の時に手足をひっかけることができてのぼりやすいため、防犯面ではあまり良くないのだとか。
和歌山城では、以下のエリアで野面積みを確認することができます。
広域にわたって野面積みが分布していますね。
特に西の丸庭園から砂の丸広場に抜ける道沿いは、ずーっと野面積みが続いていて圧巻です。
打込みハギ
野面積みの防犯面を解決すべく、また見た目を美しくすべく生み出された技術が、打込みハギ。
石の表面を打ち砕いて加工して、より隙間なくきれいに積み上げる技術です。
先ほどの野面積みと比べ、石が加工されていてきれいに並べられているのが一目瞭然で、見た目もきれいです。
「ここを攻め落としてやる、、、!」と思っても、野面積みより明らかに登りにくそうですよね。
和歌山城では、以下のエリアで打込みハギを確認することができます。
特に外周(外堀)付近に多い印象です。
外堀の写真を撮る場合には、映り込む石垣はもれなく打込みハギです。
切込みハギ
さらにさらに完璧を目指したのが、切込みハギ。
打込みハギよりも、さらにキレイな形に加工され、石の隙間もほとんどありません。
重機もない時代に造ったなんて、どう考えても信じられい程の加工力。
私は初めて見たとき、「あぁここは最近修復したのかな」なんてのんきに考えていました。
ただ、やはりこれだけの完璧を作り上げるには相当な技術と膨大な時間がかかったようで、切込みハギはあまり普及しなかったようです。
和歌山城でも、この3種類の中で一番少ないです。
崩れやすい角には算木積
石垣で一番脆いところ、それは角です。
石を積み上げたら崩れてくるのは角からかな、となんとなくイメージできますよね。
角を補強する技術が、算木積(さんぎづみ)という積み方。
大きな石の長辺が交互になるように積み上げ、その隙間を小さ目の石で埋めることで、力を分散させて強度を増す、という原理です。
和歌山城にも多くの「角」がありますが、ほとんどの角が算木積で造られています。
時代経過とともに算木積の技術が上がっていったようで、上の画像程きれいでないけれどもよく見れば算木積になっている、という箇所もたくさんありますので、ぜひ探してみてください。
石垣に注目して和歌山城を散策しよう
今回ご紹介した分類マップは、私たち夫婦が素人ながらに観察して色わけしました。
正式には違っている箇所もあるかもしれませんので、ご了承ください。
和歌山城では今回紹介した様々な積み方まとめて観察できるエリアや、石垣の刻印が多く見える場所があります。
私たちが厳選した和歌山城の石垣の見どころ4選もぜひご覧ください。
和歌山城の主な情報はこちらから♪
ではっ!ばいばいっ!ノシ
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