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和歌山城を木造で再建!?倒壊の恐れがある天守閣のこれから

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市民の憩いの場として、観光地としてにぎわう和歌山城。

実は天守閣の老朽化が進んでおり、大型地震があれば倒壊してしまう恐れもある状態なのです。

そんな天守閣を守ろうと、補強・再建についての議論が進んでいるのをご存知ですか?

当記事では、和歌山城天守閣のこれまでとこれからについてご紹介します。

ちゃんさ
ちゃんさ

私たちと一緒に、和歌山城のことを少し考えてみませんか?

この記事の概要
  • 現在の和歌山城天守閣は3代目
  • 老朽化により大地震で倒壊の恐れがある
  • 対策としてひとまずは補強修繕を進める
  • 木造再建には費用などさまざまな課題がある
  • 将来的には木造再建できるように検討を重ねる

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天守閣の歴史

和歌山城の天守閣はこれまでに二度の焼失を経験し、現在の天守閣は3代目にあたります。

建築時期焼失時期原因
初代天守閣1585年築城1846年焼失落雷による火災
2代目 〃 1850年復元1945年焼失和歌山大空襲による火災
3代目 〃 1958年復元現存
天守閣の築城と焼失の歴史

初代天守閣

時は安土桃山時代、紀州を平定した羽柴(豊臣)秀吉が、弟の秀長に命じて天正13年(1585)に築城させたのが和歌山城初代天守閣です。

初代天守閣は250年以上にわたり、城下町の発展を見守り続けていましたが、不運なことに、弘化3年(1846)に落雷による火災で焼失してしまいました。

2代目天守閣

2代目天守閣 和歌山城公式HPより

1615年の武家諸法度が公布されてからは、基本的に天守閣を建てることは不可とされた時代だったようです。
謀反や反逆の拠点とされることを防ぐためであり、武家諸法度公布以降には天守閣を造らない(造れない)城もあったのだとか。

しかしそんな時代の中、紀州は徳川御三家ということもあり、復古式天守(旧型天守で再建すること)として特例的に再建が認められ、嘉永3年(1850)に2代目天守閣が再建されました。

その後、天守閣が国宝に指定されたりもしましたが、第二次世界大戦の空襲により昭和20年(1945)にまたもや焼失していました。

和歌山市の文化財より。焼失により天守台だけが残った。

3代目天守閣(現在)

3代目天守閣

昭和33年(1958)、市民の寄付を募り天守閣が再建されました。これが3代目天守閣であり、現在の天守閣です。

鉄筋コンクリート造りではあるものの、外観は2代目を忠実に再現しています。
2代目自体が初代を踏襲して建築されているため、実質初代からあまり変わらない外観なのでしょう。

倒壊の恐れがある3代目

鉄筋コンクリート造りで再建された3代目天守閣ですが、鉄筋コンクリート造りの建物は耐用年数60年とされており、再建後すでに60年以上が経っています。

外観からしてもひび割れが目立つところがあり、内部的にも老朽化が進んでいます。

和歌山市が発表した日本建築防災協会による耐震診断によると、震度6強以上で倒壊の恐れがあるそうです。

熊本地震により熊本城が甚大な被害を受けたことも、記憶に新しいですよね。

天守閣を今後に受け継ぐためにも、天守閣のこれからについて検討がなされています。

耐震補強か木造再建か

天守閣の今後については、対策方針として2つの案が検討されています。

  • このまま鉄筋コンクリートで耐震補強する
  • 一旦取り壊して、4代目として木造再建する

平成28年度に報告された「史跡和歌山城整備計画報告書」では、直近は3代目天守閣を補強する方向のようです。

現行計画では、天守閣は木造で再建されることになっている。(中略)将来的な木造再建の方向性を視野に入れつつも、まずは現天守閣の長寿命化を図るのが望ましいと考えられる。

史跡和歌山城整備計画報告書(平成 28 年度改訂版)より

3代目は市民からの多額の寄付があってのものであり、当時の市民の想いが込められていると考えると、簡単に壊してはいけませんよね。

木造再建は将来的には実現できるように、長期的により細部まで検討を重ねていくとのこと。

木造再建への課題

和歌山城公園内では、昭和58年(1983)に大手門一の橋が、平成15年(2003)には御橋廊下が木造で復元されています。

鉄筋コンクリートなどの近代技術をなるべく使用せず、内部構造から本当の意味で「復元」し後世に残すことには大きな価値があると思います。
また、木造復元計画を進めることで、木造建築技術という形のない財産を伝え繋ぐ貴重な機会にもなります。

じゃあ木造にすれば、、、と思ってしまいますが、そう簡単には決断できない大きな課題がいくつもあります。

木造再建への課題
  • 木造再建にかかる費用をどう捻出するか
  • 工事の際の管理や資材置き場、搬入方法はどうするか
  • 南海トラフに耐えうる耐震強度が必要
  • 現在の石垣が工事の負荷に耐えられるか

再建にかかる費用

第一に、費用の問題。

木造再建にかかる費用はなんと約82億円という概算が出ています。

和歌山市の財政から捻出するのか、寄付を募るのか、、、、資金がないことにはそもそも復元も補強も始められません。

ちゃんさ
ちゃんさ

寄付の詳細はこちらをチェック!イチ市民の小さな協力が大きな力になればいいね。

耐震強度・工事

また、大規模な木造建築になると、工事期間もかなり長期になることが予想されます。

その間の管理はどうするべきか、資材置き場はどこに設営するのか。天守閣への道は細く急な道ばかりで天守閣前のエリアも非常に狭いため、使える重機も限られます。

高確率で南海トラフの大被害を受ける地域であり、耐震補強も万全にしなければならないなど、工事に関連する課題も盛りだくさんです。

石垣の状態

その他、抜け落ちや欠損の多い石垣が工事に耐えうるのかについても、入念な調査が必要だといわれています。

工事にあたり、他の貴重な遺産を壊さないように、周辺構造物への配慮も慎重に進めなければいけません。

一部欠損やひび割れが目立つ

3代目再建時も色々あった

実は今の3代目が再建される時にも、様々な意見が飛び交ったようです。

総工費1億2千万円のうち約47%が市民の寄付金でまかなわれたと記録されていることからも、再建賛成派が多かったことは間違いないでしょう。

しかし、再建賛成派の中にも鉄コン反対派がいたようで、

鉄コン反対派
鉄コン反対派

鉄筋コンクリートなんて現代的すぎる!木造の日本城郭建築にこそ意味がある!

という意見もあったようです。また、そもそも再建反対派もいたようで、

再建反対派
再建反対派

お城なんて封建的で、民主主義の時代には合わない!

なんて意見まであったそう。

結局、フル木造にするための木材調達が難しかったこともあり、内部は鉄コン、外観は可能な限り木造にするという形で決着しました。

3代目の外観は2代目そっくりに再建されていますが、この忠実な再現はある意味で鉄コン反対派のおかげともいえます。

ちゃんさ
ちゃんさ

「外観はきれいに復元するからさ〜鉄コンで許してよ~」って感じだったのかな(笑)

まとめ

当記事では、和歌山城天守閣の現状とこれからについてご紹介しました。

まとめ
  • 現在の和歌山城天守閣は3代目
  • 老朽化により大地震で倒壊の恐れがある
  • 対策としてひとまずは補強と修繕を進める
  • 木造再建には費用などさまざまな課題がある
  • 将来的には木造再建できるように検討を重ねる
おにさ
おにさ

いつ和歌山城が木造になるかはわからないけど、いつかその姿を見てみたいね♪

ちゃんさ
ちゃんさ

和歌山市のシンボルとして、いつまでも愛されるお城であってほしいな♪

でも、大地震で倒壊の危険があるなんて知りませんでした。毎日、何気なくみている和歌山城が崩れてしまったらショックですよね。

また今回の木造計画以外にも和歌山市は、和歌山城公園の整備計画を発表しています。

その他の整備計画や、和歌山城のあれこれやイベントについてはこちらで更新しています。よければご覧ください。

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