日本には各地域にお城があって、地元民の憩いの場であったり、観光名所になっていたりしますよね。とりあえず行ってみるけど、、、「天守閣を見ただけ」「何が何だかわからなかった」と、イマイチ楽しみ切れていない人も多いのではないでしょうか?
行く前に、ほんの少しだけ、歴史的背景や豆知識を調べてみてください。予備知識があれば180度見え方が変わって、「こんなにも面白い建築物だったのか!!」と何倍も楽しめること間違いなし!
当記事では、和歌山城の北東の入り口大手門をご紹介します。
毎週のように和歌山城に出向き、様々な視点から細かく観察している私たちが、大手門の歴史と見ごたえポイントを教えます。
和歌山城の北側の玄関口
和歌山城には3つの門が現存しており、大手門(おおてもん)は北側に位置する和歌山城の玄関口です。
大手門が面するけやき大通りは和歌山市の幹線道路であり、市役所や中央郵便局がある街のど真ん中、市民としては最も馴染み深い門ではないでしょうか。また、和歌山城ホールもけやき大通りにありますので、ライブ来場者からも目につきやすい門ですね。
歴史
大手門の創設と城下町の整備
1585年の和歌山城創建当時、現在の大手門は存在しておらず、南側にある岡口門が大手門(=正門)とされていました。
1600年の関ヶ原の戦い後に入城した浅野幸長が和歌山城の大規模改革を行い、改革の一環としてお堀の北側に橋と門を設置し、この門を大手門としました。この大手門の移行に伴い、現在の本町通りを和歌山の大手筋として、城下町が整備されました。
当時の大手門は、明治42年(1909年)5月に自然倒壊してしまったそうです。
崩壊後、長らく北側には門が設置されていませんでしたが、当時の資料をもとに昭和57年(1982年)に再建され、一の橋もきれいに架け替えられ現在の姿に至ります。
大手門は3つあった
余談ですが、和歌山城~本町通りの間には「大手門」と呼ばれる門が元々3つあったそうです。1つ目は今回ご紹介した現在の大手門、2つ目が京橋付近、3つ目が本町9丁目付近。
一般的なお城には内郭・外郭・城下町の3区画があり、現在の大手門より内側が内郭、京橋の内側が外角、本町9丁目の内側が城下町とされていたという当時の状況が伺えます。現在は京橋・本町9丁目には門はありませんが、京橋には門址の石碑があります。
余裕があれば、和歌山城から京橋や本町9丁目までも歩いてみてください。自分の足で歩くことで、当時の街の規模をなんとなく想像できるのではないでしょうか。
大手門のピックアップポイント3選
タイムスリップ!?一の橋と大手門
他の2つの門(追廻門、岡口門)と異なり、お堀を渡る一の橋がセットになっていることが、大手門の大きな特徴の1つです。なんだかとってもいい雰囲気を醸し出していると思いませんか、、、?
目の前には幹線道路、周りには銀行や郵便局などがあり、あたり一帯は「現代の街」って感じなのですが、ここだけ歴史を感じる面持ちで江戸時代にタイムスリップしたような気持ちになります。写真に収める時には、少し構図やエフェクトを工夫するだけで、歴史の世界に浸れるような一枚が撮れますよ♪
桜だけじゃない!四季を感じよう
和歌山城は和歌山市内でも有数の桜スポットですので、至る所で桜がきれいに咲き誇ります。
しかし!大手門付近は桜だけじゃないのがポイントです。
春はソメイヨシノはもちろん梅や枝垂桜もあり、夏には様々な植物が青々と生い茂り、秋にはけやき大通りのイチョウで黄色一色になり、また周辺に立派な松の木が多く年中いい雰囲気を作り出してくれています。タイミングが合わないとお目にかかることはできませんが、冬には雪化粧した一の橋もまた良きです。
四季の移ろいを感じさせてくれるので、いろんな季節に訪れてみてください。
樹齢450年超の巨大クスノキ
大手門から入ってすぐの石垣の上から、巨大樹が顔を出しているのをご存じですか?
樹齢はなんと推定450年超!幹の周囲は7メートル、樹高は25メートルと、とても巨大で立派なクスノキです。第二次世界大戦中の和歌山大空襲で和歌山城天守閣やその他多くの建築物・自然が焼失してしまいましたが、このクスノキは傷つきながらも自然の力で回復し、今の姿に至ります。
自然の生命力の強さを感じる、パワースポットです。ぜひ大手門から入ったら、まず石垣の上を見上げてみましょう。
二ノ丸庭園の奥に進むと結構近距離まで近づくことができて、よりその大きさを体感できます。
和歌山城の楽しみ方は天守閣だけじゃない!
いろんな情報を知れば知るほど、お城を訪れる時の楽しみが増えますね♪ 和歌山城には大手門のほかに、追廻門と岡口門があります。大手門以外についても知りたい方は、こちらも読んでみてください。
当記事では門に着目してご紹介しましたが、また別の視点として、石垣に着目した記事もまとめています。お子さまと楽しめるような内容もありますので、ぜひ和歌山城に訪れる前には石垣についても調べてください。
ではっ!ばいばいっ!ノシ
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